犯罪心理研究の歴史

犯罪心理研究の歴史

犯罪心理学を捜査に役立てる基礎を作ったのは、イタリアの精神科医、チェーザレ・ロンブーゾ(1835~1909年)です。

彼は軍医の経験を持ち、精神科医としては、主に犯罪者の遺伝的要因について探っていました。

彼が解剖した頭骸骨の数は800以上、容姿研究の対象とした受刑者は、8,000人以上にもなります。

これらのデータと兵士のデータを比較しながら、「人は先天的に犯罪の素養を持っている」という「生来的犯罪人説」を提唱するようになりました。

彼の言う、犯罪者の遺伝的要素を表す外見の特徴は、

  • 頭部が肥大気味
  • 顔の左右が非対称
  • 左利き

などです。

また、精神的側面で犯罪者になりうる要素は、

  • 自己中心的である
  • 独創的

などです。

勿論、現在では、これらの簡単な分類以上に、犯罪者にはもっと複雑な側面があることがわかっています。

また、ロンブーゾが自らの説を提唱した時でさえ、多くの学者たちから批判の声が上がりました。

しかし、ロンブーゾこそが、犯罪者の人格に迫り、その分類を始めた人物であることは、間違いありません。

ロンブーゾの研究が現在の犯罪心理学の基本となり、20世紀になると、社会学的、生物学的側面からも、犯罪者の人格分析が行われるようになりました。

更に、ユダヤ人精神科医のフロイト(1856~1939年)が「精神分析」を確立し、それを元に、犯罪心理学のレベルも底上げされることになりました。

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