地理学とプロファイリング
地理学は、プロファイリングにおいて欠かせない要素の一つで、犯行現場からの移動手段や犯人の居住地を大まかに推測することができます。
例えば、殺人を犯せば、必ず死体遺棄をどうするかについて、考えなくてはなりません。
犯人が車を使う場合、死体を移動させるのは比較的容易です。
しかし、車を利用できない犯人の場合、公共の交通手段を頼って移動することになります。
そうすると、死体遺棄を全く別の場所でするのは不可能です。
このことから、犯人は現場近くに居住している、という大まかな推測をすることができます。
このように、犯行現場を見て、その犯人の交通手段や居住地をある程度特定ことが可能ですが、基本的には、犯人が全く知らない場所で犯行を行い、知らない場所に死体を遺棄することは、あまりありません。
人は誰もが、大なり小なり「安心できる場所」というものを持っています。
全く知らない土地に行くと、右も左もわからず、どこで何ができるのかもわからず、不安の方が大きくなるのです。
一方、慣れている場所にいると、リラックスすることができ、不便も感じません。
重大な犯行を犯した犯人でもそれは同じです。
犯行は、土地勘のある所で行ったほうが、逃走経路や死体遺棄場所を確保しやすいという利点があります。
ですから、犯人像を思い描く場合、犯行現場の地理を詳細に把握することは、大変重要になるのです。
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